「電子増値税専用発票の実務導入① 」

CHN_MCWN_W20210823

MIZUHO CHINA WEEKLY NEWS
第90 9 号
(2021 年 8 月 23 日作成)

增值税:进项税额的范围、认证与计算

【前言】

 

在上上期与上一期中已提及了增值税税率变更时的应对及开红字发票的实务操作等。

在本期中我想继续就增值税实务,对于增值税进项税认证解说一下基础内容。这部分内容实务性较强,如果驻在人员被中方财务部员工告知“在中国就是这样”类似的说辞,则非常容易听信。

这种情况下,实际上即使因遗漏认证或认证失败等对公司造成损失,也很有可能被巧妙地蒙混过去。只要此部分的会计处理得当,即使在会计审计中也难以被视为问题,因此可以说如果无法切实进行管理的话,则很容易被以当地视角看做是有弊端的公司。

本期刊登了增值税进项税认证实务的基本内容,希望能够有助于加强大家的理解。

 

 

 

 

【扣除对象进项税额的范围

 

营业税改征增法》

第二十五条 下列进项税额准予从销项税额中抵扣:
(一)从销售方取得的增值税专用发票(含税控机动车销售统一发票,下同)上注明的增值税额。
(二)从海关取得的海关进口增值税专用缴款书上注明的增值税额。
(三)购进农产品,除取得增值税专用发票或者海关进口增值税专用缴款书外,按照农产品收购发票或者销售发票上注明的农产品买价和13%的扣除率计算的进项税额。计算公式为:
进项税额=买价×扣除率
买价,是指纳税人购进农产品在农产品收购发票或者销售发票上注明的价款和按照规定缴纳的烟叶税。
购进农产品,按照《农产品增值税进项税额核定扣除试点实施办法》抵扣进项税额的除外。
(四)从境外单位或者个人购进服务、无形资产或者不动产,自税务机关或者扣缴义务人取得的解缴税款的完税凭证上注明的增值税额。

农产品的扣除率依据《财政部 税务总局关于深化增值税改革有关政策的公告》财政部 税务总局 海关总署公告2019年第39号,调整为9%。

 

如下文所述的因增值税进项税认证实务的IT化发展迅速,增值税专用发票的进项税认证正逐渐不必担心操作性错误。但是,上述中海关进口增值税专用缴款书与扣缴所产生的进项税额的处理工作,可以说在实务中也是非常容易产生问题的部分。

 

下述增值税进项税额在其后的改革中扣除范围扩大,是IT化尚不完备的领域。如果财务担当人员不积极应对扣除范围扩大的进项税税额,则会直接导致公司可抵扣进项税额减少,从而会引起增值税税额增加的情况。因此最好确认一下在贵公司的实务流程上是否已被例规化,体制上是如何汇总并计算进项税额的。

 

《关于收费公路通行费增值税抵扣有关问题的通知》财税[2016]86

一、增值税一般纳税人支付的道路、桥、闸通行费,暂凭取得的通行费发票(不含财政票据,下同)上注明的收费金额按照下列公式计算可抵扣的进项税额:

高速公路通行费可抵扣进项税额=高速公路通行费发票上注明的金额÷(1+3%)×3%

一级公路、二级公路、桥、闸通行费可抵扣进项税额=一级公路、二级公路、桥、闸通行费发票上注明的金额÷(1+5%)×5%

 

 

 

 

政部 税务总局 海关署关于深化增税改革有关政策的公告》

政部 税务总局 海关署公告2019年第39

 

六、纳税人购进国内旅客运输服务,其进项税额允许从销项税额中抵扣。

(一)纳税人未取得增值税专用发票的,暂按照以下规定确定进项税额:

1.取得增值税电子普通发票的,为发票上注明的税额;

2.取得注明旅客身份信息的航空运输电子客票行程单的,为按照下列公式计算进项税额:

航空旅客运输进项税额=(票价+燃油附加费)÷(1+9%)×9%

3.取得注明旅客身份信息的铁路车票的,为按照下列公式计算的进项税额:

铁路旅客运输进项税额=票面金额÷(1+9%)×9%

4.取得注明旅客身份信息的公路、水路等其他客票的,按照下列公式计算进项税额:

公路、水路等其他旅客运输进项税额=票面金额÷(1+3%)×3%

 

能够使用该航空运输电子客票行程单与铁路车票抵扣进项税额的,仅限于与本单位建立了合法用工关系的雇员。

(深化增值税改革即问即答[之二]中的三)

 

 

进项税额的认证与计算

 

(1)IT化的增值税进项税认证实务

有人会误以为中国大陆地区如同台湾地区一样增值税进项税的认证是由公认会计师进行进项税额的认证,其实现在大陆地区增值税专用发票进项税认证的IT化发展相当迅速。

目前全部一般纳税人的认证方法有两种选择(国家税务总局公告2019年第8号):

  • 使用增值税发票选择确认平台选择确认
  • 纸版发票扫描认证

 

因为增值税进项税额的认证具有对缴款增值税额直接减额的效果,在实务中,经常会有到手后在账簿上计入费用之前只先进行认证的做法,导致存在通常作为借方余额的「未认证进项增值税额」(其他流动资产)变为贷方余额的现象,但从费用计入的观点以及出纳处理的角度看难以说是恰当的做法。对于提前认证的进项税发票未入账的,以及已入账未进行认证的发票需要财务担当人员进行定期的核对和检查,及时保证进项税额抵扣数据的准确性。

 

(2)IT化范围外的支出的增值税进项税认证

依据上述财税[2016]86号进行的收费公路通行费的认证,在以前的认证中会存在一定的困难,但是自2019年起收费公路通行费电子普通发票也实现了在网络平台上进行选择认证后,此业务简单了很多。同时,也有很多地区能够像深圳市一样普通出租车的纸质发票也如滴滴网约车等运输服务业一样发行了电子发票。

 

关于增值税发票选择确认平台上不显示的「纳税人购进国内旅客运输服务」(财政部税务总局海关总署公告2019年第39号),需要公司建立流程以便税务申报负责人能够统计并计算准确的可抵扣进项税金额。

此部分进项税额的确认与专用发票的认证不同的是需要通过手动计算并导出,因此需要在账簿上保存好如何计算该金额的纸版凭证以备税务调查。

 

增值税进项税额的可抵扣范围、认证与计算实务今后也很有可能会随时发现变化,因此需要公司随时做好更新的准备。

因此,如果财务员工不能积极对于最新规定融会贯通的话,则会有因不知道增加了扣除范围而导致公司损失的隐患。在类似2019年第39号公告中第六项这种进项税额范围扩大的情况,只有公司积极应对才能获得减税的益处,即使不积极应对也不会具有税务风险。这种不积极应对的情况并非是会计上的错误,也不会在会计审计等中被留意到,在替换担当人员之前不会显露出来的情况也屡有发生。

増値税:仕入税額の範囲・認証・計算

注:本稿は2019年10月のみずほフィナンシャルグループの Mizuho Global InfoStation- 中国会計・税務の現場から に掲載されました弊社提供記事です。貼付の過程で図表の一部が壊れておりますことをご了承ください。

 

【はじめに】

前前号・前号では増値税率に変更があった場合の対応や、赤字発票発行の実務などについてふれてきました。

今号でも引き続き増値税実務ということで、仕入増値税の認証について基礎的な内容を説明していきたいと思います。こういったところはとかく実務的ですので、駐在員は中国人財務部部員から「中国ではこうなんです」と説明されればそれまでということになりやすい分野です。

そう言った場合実は認証漏れや認証失敗などによって会社に損害が発生していてもうまくごまかされてしまうことにもなりかねません。会計監査でもこういう部分は会計処理が適切な限り問題とされにくいため、適切な管理が出来なければ現地目線で見て脇が甘い会社と認識されやすいことになるでしょう。

本号では認証実務の基本的な内容を記載しますので、まずは皆さまのご理解を深めて頂ければと思います。

 

 

 

 

【控除対象仕入税額の範囲】

 

営業税改正増値税試点実施弁法

第二十五条

以下の仕入税額は売上税額から控除できる。

  • 売先より取得した増値税専用発票(自動車売上統一発票を含む、以下同)に明記されている増値税額。
  • 税関より取得した税関輸入増値税専用納付書(海关进口增值税专用缴款书)に明記されている増値税額。
  • 購買した農産品で、増値税専用発票や税関輸入増値税専用納付書以外の場合、農産物購入発票や販売発票に明記される購入価額と13%の控除率(※)で計算した仕入税額。

仕入税額=代金×控除率

  • 国外の企業または個人が提供する課税行為について、税務機関または源泉徴収義務者が取得する納税証明上で明記されている増値税額。

 

※農産品の控除率は「増値税改革深化に関する関連政策の公告」財政部税務総局税関総署公告2019年39号により、控除率が9%に調整されています。

 

後で示すように認証実務はIT化が発達しているため、増値税専用発票の認証はオペレーショナルエラーを余り気にしなくてよくなりつつあります。一方で上の中でも「税関輸入増値税専用納付書」や源泉徴収で発生する仕入税額の処理は、実務上問題が発生しやすい部分と言えます。

 

更に、以下の仕入税額はその後の改革で控除範囲が広まり、IT化の完全でない分野です。多くの部分はいわば財務担当者が積極的に対応しないと控除範囲とならない部分ですので、貴社の実務フロー上既にルーティン化されているのか、どのように仕入税額を収集・計算する体制となっているのかを確認するのが良いでしょう。

 

有料道路通行費の増値税控除関連問題の通知

財税[2016]86

一、増値税一般納税人が支払う道路、橋、ゲート通行費で取得した通行費発票は、以下の公式で計算する金額を控除可能仕入増値税とする。

高速道路通行費で控除可能仕入税額:高速道路通行発票上明記された金額÷(1+3%)×3%

一級道路、二級道路、橋、ゲート通行費で控除可能の仕入税額:通行費発票上明記された金額÷(1+5%)×5%

 

増値税改革深化に関する関連政策の公告 

財政部税務総局税関総署公告201939

六、納税者が購買する国内旅客運輸サービスは、その仕入税額を売上税額から控除できる。

(一)納税者が消費する国内旅客運輸サービスで増値税専用発票を未取得のもの

  • 増値税電子普通発票を取得し、発票上税額が明記されているもの
  • 旅客の身分情報が明記された航空運輸電子客表行程票を取得し、以下の公式で計算する仕入増値税:

(チケット価格+燃油サーチャージ)÷(1+9%)×9%

  • 旅客の身分情報が明記された鉄道チケットで、以下の公式で計算する仕入増値税:

チケット価格÷(1+9%)×9%

  • 旅客の身分情報が明記された公道、水路等他のチケットで、以下の公式で計算する仕入増値税:

チケット価格÷(1+3%)×3%

 

なお、この飛行機行程票や鉄道チケットで仕入税額が控除できるのは、会社と合法的な雇用関係が成立している従業員に限ります。(深化増値税改革即問即答之二 三)

 

 

【仕入税額の認証と計算】

 

(1)IT化される認証実務

稀に台湾地域の実務のように公認会計士が仕入税額の認証を行うのでしょうかと誤解される方もいらっしゃるのですが、現在中国大陸の増値税専用発票の認証はIT化が相当進んでおります。

現在では全一般納税人の認証方法は二択となっています。(国家税務総局公告2019年8号)

  • 増値税発票選択確認プラットフォームで選択確認
  • 紙発票をスキャン認証

 

認証は納付増値税額を直接減額する効果を持つために、手許に届いて帳簿上費用計上を行う前に認証だけしてしまう実務も見られます。その結果通常借方残高となる「未認証仕入増値税額」(その他流動資産)が貸方残高になるような事象も見られますが、費用計上の観点、並びに出納処理上も適切とは言いにくいでしょう。

 

(2)IT化の枠外の支出の認証

上述財税[2016]86号に基づく有料道路通行費の認証は一部で以前困難がありましたが、2019年には有料道路通行費電子普通発票は増値税発票選択確認プラットフォームで選択可能になっています。また深圳市のようにタクシー代でも電子発票を発行できるような地域もあります。

 

増値税発票選択確認プラットフォームで表示されない「納税者が購買する国内旅客運輸サービス」(財政部税務総局税関総署公告2019年39号)については、申告担当者が計算または金額を把握できる環境をフローとして整備する必要があります。

かつ、専用発票の認証と異なり手計算で導出することになるため、税務調査に備えどのようにその金額を算出したかの紙証憑を帳簿に残しておくのが適切と言えるでしょう。

 

仕入税額の範囲・認証・計算実務は今後も機動的に変化していく可能性が高く、適時アップデートが必要となるでしょう。

また、積極的に最新の規定になじんでいこうとしない財務部員の場合には、控除範囲が増えたことを知らず潜在的に会社に損失を与えている場合もあります。2019年39号規定第6項のような仕入税額範囲拡大のケースでは、積極的に会社として対応を行う場合のみ減税のメリットが取れるため、行わなくても税務リスクがあるわけではありません。会計上も誤りではないため会計監査などでもスポットが当たりにくく、担当者が交代するまで表に出ないこともしばしば発生するでしょう。

 

 

本稿の執筆時点は次の通りです:2019810

 

本ページは執筆日より前の法令等に基づいて作成されており、直近及びこれ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。国家税務総局等のURLは執筆日現在で有効なものを記載しています。

また、本ページは概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。法令法規の説明を除き、解説は執筆者個人の判断や解釈を反映するものであり、所属団体としての意見を表明するものではありません。企業の所在地域、種類や規模によっても解釈が異なる可能性があります。個別の実務上の問題については貴社と直接契約するプロフェッショナルにご相談ください。貴社と契約するプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本ページの情報を基に判断し行動されないよう、お願いいたします。

 

本稿の内容は最長で次の時点まで有効である可能性があります:2020430

増値税:値引きと赤字発票の発行

注:本稿は2019年9月のみずほフィナンシャルグループの Mizuho Global InfoStation- 中国会計・税務の現場から に掲載されました弊社提供記事です。貼付の過程で図表の一部が壊れておりますことをご了承ください。

 

【はじめに】

前号は増値税実務の基本論点として、増値税率の変動のたびに実務上の焦点となりやすい「いつの時点の増値税率を使うべきか」について整理しました。

 

関連論点として、今号では値引き、販売の中止や返品があった場合についての取り扱いを以下の順番でご説明します。

① 値引き、販売の中止や返品があった場合についての増値税法上一般的取扱い

② 値引き、販売の中止や返品があった場合で税率変更があるときの取り扱い

③ 赤字発票を発行する場合の具体的操作

 

 

 

 

 

【値引きや返品があった場合の一般的取扱い】

 

増値税暫定施行条例実施細則

第11条 一般納税人が販売物品の返品又は値引により買い手に返金する増値税額については、販売物品の返品又は値引が発生した当期の売上増値税額から控除しなければならない。購買物品の返品又は値引により受領した増値税額については、購買物品の返品又は値引が発生した当期の仕入税額から控除しなければならない。

一般納税人の物品販売または加工修理修繕役務を提供し、増値税専用発票を発行した後、販売物品の返品又は値引、発行間違い等の状況が発生したとき、国家税務総局の規定により赤字増値税専用発票を発行しなければならない。規定により赤字増値税専用発票をまだ発行していない時は、増値税額を売上増値税額中から控除してはならない。

 

 

増値税若干具体問題の規定 

国税発[1993]154

二、(二)納税者が物品販売で値引きをするとき、売上額と値引き額が同じ発票上に区分して明示されているとき、値引き後の売上額を以て売上増値税の課税対象としてよい。もし値引き額が別の発票で発行されているとき、会社の財務上の処理の如何に関わらず、売上額から値引額を控除することは出来ない。

 

 

値引きにより増値税課税売上を減額する問題に関する通知

国税函[2010]56

「納税者が物品販売で値引きをするとき、売上額と値引き額が同じ発票上に区分して明示されているとき、値引き後の売上額を以て売上増値税の課税対象としてよい。」について。納税者が物品販売で値引きをするとき、売上額と値引き額が同一の発票上に区分して明記するとは、売上額と値引き額が同一発票上の「金額」欄に区分して明示されていることを指し、値引き後の売上額を以て売上増値税の課税対象として良い。同一発票上の「金額」欄に値引き額が明示されず、発票の「備考」欄に値引き額が明示されているだけのときは、売上額から値引額を控除できない。

 

 

 

営業税改正増値税試点実施弁法

第四十二条

納税者が課税行為を発生し、増値税専用発票を発行した後、発行間違えや販売の値引き、中止、返品等の状況が生じたとき、国家税務総局の規定に基づき赤字増値税専用発票を発行しなければならない。規定に基づき赤字増値税専用発票を発行していない時、本弁法三十二条と三十六条の規定に基づき売上増値税または売上額から控除することは出来ない。

第四十三条

納税人が課税行為を発生し、代金と値引き額を同一の発票上に区分して明記するとき、値引き後の金額を以て売上額とする。同一の発票上に区分して明記していない時、代金を以て売上額とし、値引きすることは認められない。

 

 

【値引きや返品があった場合で増値税率が変更となる場合の取扱い】

 

2019年春の増値税改革の際に、税率の変更を跨いで値引き、販売の中止や返品があった場合についての取り扱いが明示されました。その公告の関連個所を抜粋します。

前号の納税義務発生時点の論点を踏まえれば難解ではないかと思いますし、第三項の「手修正により元の税率を適用し増値税発票を発行してよい。」と言う部分は実務上ポイントとなります。

 

増値税改革深化に関する関連事項の公告

国家税務総局公告2019年第14

一、増値税一般納税人が増値税率の調整前既に元の税率を適用し増値税発票を発行していて、値引きや販売の中止、返品等の状況が発生し赤字発票の発行が必要となる場合、元の税率を適用して赤字発票を発行する。発票の発行に誤りがあり新たに発行し直す場合、元の税率を適用して赤字発票を発行した後、新たに正確な黒字発票を元の税率に基づき発行する。

 

二、納税者が増値税税率の調整前に行った増値税発票を発行していない増値税課税行為で、増値税発票を発行する必要のある場合、元の税率に基づき発行しなければならない。

 

三、増値税発票の税控開票ソフトウェアの税率欄に表示されている調整後税率は、納税者が本公告第一条、第二条に基づき発行し直すまたは追加発行をする場合、手修正により元の税率を適用し増値税発票を発行してよい。

 

四、税務総局は増値税発票税控開票ソフトウェア中の「商品とサービス税収分類番号表」を更新したので、納税者は更新後の「商品とサービス税収分類番号表」に基づき増値税発票を発行しなければならない。

 

 

【赤字発票の発行】

 

上では赤字発票の発行プロセスについて触れられていますが、具体的には状況により以下の2つの発行の流れが考えられます。

 

1)売り手が増値税専用発票を買い手にまだ交付していない場合や、買い手がまだ仕入税額控除を申告しておらず且つ発票聯と控除聯を返還する場合、売り手が増値税発票管理システム中「赤字増値税専用発票発行情報表」を記載アップロードし、元の税率に基づき赤字発票を発行します。

 

2)買い手が増値税専用発票を取得し既に仕入税額控除を申告している場合、または買い手が専用発票を取得して仕入税額をまだ控除していないが発票聯と控除聯を返還できない場合、買い手が増値税発票管理システム中「赤字増値税専用発票発行情報表」を記載アップロードし、売り手が買い手の「赤字増値税専用発票発行情報表」に基づき元の税率で赤字発票を発行します。

 

 

「赤字増値税専用発票発行情報表」はアップロードされると税務局システムにおいて自動認証が行われ、通過後赤字発票情報表番号が明示されます。赤字発票の内容と認証通過した「赤字増値税専用発票発行情報表」の内容は一致すべきであり、電子情報又は紙資料を税務調査に備え証憑として保存するのが適切となります。

 

次号も増値税の論点の続きとしまして、仕入増値税の認証に関する実務的論点を整理します。

 

本稿の執筆時点は次の通りです:2019810

 

本ページは執筆日より前の法令等に基づいて作成されており、直近及びこれ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。国家税務総局等のURLは執筆日現在で有効なものを記載しています。

また、本ページは概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。法令法規の説明を除き、解説は執筆者個人の判断や解釈を反映するものであり、所属団体としての意見を表明するものではありません。企業の所在地域、種類や規模によっても解釈が異なる可能性があります。個別の実務上の問題については貴社と直接契約するプロフェッショナルにご相談ください。貴社と契約するプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本ページの情報を基に判断し行動されないよう、お願いいたします。

 

本稿の内容は最長で次の時点まで有効である可能性があります:特段制限なし

 

増値税:納税義務の発生時点

注:本稿は2019年8月のみずほフィナンシャルグループの Mizuho Global InfoStation- 中国会計・税務の現場から に掲載されました弊社提供記事です。貼付の過程で図表の一部が壊れておりますことをご了承ください。

 

【はじめに】

2019年春、2018年に続き増値税法の改正があり、物品売買取引に関する主な税率が16%から13%に変更となりました。2019年の変更は2018年の経験(17%から16%に変更)があるため、税率が思ったより大きく変動したという以外にお客様のオペレーション上は余り混乱が生じなかったように思います。

 

このような増値税率の変動は今後も急に発生する可能性があります。

今号では、今後のため増値税率の変動のたびに論点となる「いつの時点の増値税率を使うべきか」について整理してみたいと思いますのでご参考ください。

 

 

 

 

【いつの時点の増値税率を使うべきか】

 

この論点は税法上それなりに整備された話である一方、極めて実務的な問題にもなりやすい分野となります。実務上起こりうる話として、たとえば

・3月中に税率16%で見積もりを出して合意したのに商品の引渡は4月を越えた。その場合に税率13%が適用されるのか?

・契約書に税率変更の場合の記載がないがどうすべきか。

といったことがあり得ると思います。こういった問題にすべて結論を示しているわけではありませんが、税法上は以下のように「増値税納税義務の発生時点」の問題として規定されています。つまり、上に例示したような各種の問題については、納税義務の発生時点をまず確定し、その時点における増値税率を使用すべきということになります。

 

1)物品の販売、加工修理修繕役務、有形動産リースサービス、物品の輸入

増値税暫定施行条例

第19条 増値税納税義務の発生時点:

(一)物品の販売または加工修理修繕役務の発生のときは、売上代金を受領したまたは売上代金請求書を取得した当日とする。先に発票を発行した場合には、発票を発行した当日とする。

(二)物品を輸入したときは、輸入通関をした当日とする。

増値税の源泉徴収義務の発生する時間は、納税者に増値税の納税義務が発生した当日とする。

 

増値税暫定施行条例実施細則

第38条 条例第19条の第一款第(一)項に規定する売上代金を受領したまたは売上代金請求書を取得した当日は、販売の決済方法により同一ではなく、具体的には以下の通り:

(一)直接売上代金を受領する方式の物品販売については、物品の搬送の有無にかかわらず、売上代金を受領したまたは売上代金請求書を取得した当日とする。

(二)代金回収又は銀行に委託して代金回収する方式の物品販売については、物品を搬出し代金回収手続を委託した当日とする。

(三)割賦販売または延払方式の物品販売については、契約書に規定した売上代金受領の当日とし、契約書のない場合または契約書上売上代金受領の期日の規定がない場合には物品を搬出した当日とする。

(四)代金の前受を行う方式の物品販売については、物品を搬出した当日とする。但し製造販売の製造期間が12か月を越える大型機械設備、船舶、飛行機等の物品販売については、前受金を受領した日または契約書上の代金受領期日の当日とする。

(五)他の納税者に委託して物品を販売する場合、代理販売業者から代理販売明細を取得したまたは全部または一部分の物品売上代金を受領した当日とする。まだ代理販売明細を取得しておらず物品売上代金も受領していない場合、代理販売業者に物品を搬出してから180日を経過する当日とする。

(六)加工修理修繕役務の発生の場合、役務を提供し同時に売上代金を受領したまたは売上代金請求に関する根拠を取得した当日とする。

(七)納税者が本実施細則第四条第(三)項から第(八)項に規定する物品のみなし販売が発生した場合、物品を移送した当日とする。

 

2)課税サービス、無形資産の譲渡または不動産の販売

営改増試点実施弁法(財税201636号)

第四十五条 増値税の納税義務、源泉徴収義務の発生時点は次の通り。

(一)課税行為が発生し売上代金を受領したまたは売上代金請求書を取得した当日とする。先に発票を発行した場合には、発票を発行した当日とする。売上代金の受領とは、納税者が課税サービス、無形資産の譲渡または不動産の販売の過程で又は完了後に受け取った代金を言う。

売上代金請求書を取得した当日とは、契約書で確定した支払日を指す。

契約書を未締結または契約書上支払日が未確定の場合、課税サービスまたは無形資産の譲渡が完成した当日または不動産の権利帰属の変更が行われた当日とする。

(二)建築サービスにおいて前受金を受領する方式の場合、前受金を受領した当日とする。

(三)金融資産の譲渡に従事する場合、金融資産の所有権の移転が行われた当日とする。

(四)本弁法第十四条に規定する状況の場合、課税サービスまたは無形資産の譲渡が完成した当日または不動産の権利帰属の変更が行われた当日とする。

(五)増値税の納税義務が発生した当日を増値税源泉徴収義務の発生する時点とする。

 

これらの規定中には、税務実務上重要となる前受金が長期放置されることの問題点についてもふれられています。

 

今後も増値税率の変更はあり得ると思われるため、上記規定を参考に

・契約書を締結する

・そもそも税込で契約しているのか税抜きで契約しているのかを明確にする。

・特に税込・税抜両方の金額を明記して合意する場合に、契約書中に税率変更に関する条項を追加する

・売上にかかる請求書と発票の送付・発行時点を明確にする

といった対応が考えられます。このような書面上の対応は無用な取引先との摩擦を避けるために有効であると思われます。

 

次号では、値引きや返品のあった場合の増値税法上の取り扱いについて整理してまいります。

 

本稿の執筆時点は次の通りです:2019810

 

本ページは執筆日より前の法令等に基づいて作成されており、直近及びこれ以降の税制改正等が反映されていない場合がありますのでご留意ください。国家税務総局等のURLは執筆日現在で有効なものを記載しています。

また、本ページは概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。法令法規の説明を除き、解説は執筆者個人の判断や解釈を反映するものであり、所属団体としての意見を表明するものではありません。企業の所在地域、種類や規模によっても解釈が異なる可能性があります。個別の実務上の問題については貴社と直接契約するプロフェッショナルにご相談ください。貴社と契約するプロフェッショナルからのアドバイスを受けることなく、本ページの情報を基に判断し行動されないよう、お願いいたします。

 

本稿の内容は最長で次の時点まで有効である可能性があります:特段制限なし